【1】SNSでの出会いから始まったご縁
いわき市平下荒川久世原にお住まいのご夫婦から、畳替えのご依頼をいただきました。
「家から近くて、歴史もあるし、信頼できそうだったから」と、SNS検索で当店を見つけてくださったとのこと。
このように地域の方に安心して選んでいただけるのは、私たちにとって何より嬉しいことです。
築約40年のお宅で、これまでにも一度表替えをされたそうですが、長年の使用により畳床(たたみどこ)まで傷みが進み、隙間もできて寒さも気になるようになったとのこと。
「こたつを出す前に、畳をきれいにして気持ちよく冬を迎えたい」とのご希望でした。
【2】畳職人の腕の見せどころ。掘りごたつ付きの難しい間取り
お部屋は4.5帖間で、真ん中には掘りごたつがある造り。
こたつの炉縁(ろぶち)に合わせて畳を製作するため、採寸は非常に繊細な作業です。
午前8時30分にお伺いし、既存の畳を搬出後、床下を清掃。採寸に細心の注意を払いながら、寸法紙を数枚作成して割り付けを行いました。

畳は一度作ってしまうと「削る」ことも「足す」こともできません。
つまり、採寸の正確さが仕上がりの美しさを左右します。
このような難しい形状の部屋こそ、職人の経験と技術が光る場面です。


お客様が選ばれた材料は、
- 建材床(55ミリ厚)
- 熊本県産い草表・松クラス
- 大宮縁 HANA香織 #7
熊本県産のい草は、香り・艶・耐久性の三拍子が揃った高品質な表。


特に「松クラス」は、い草の一本一本がしっかり詰まっており、色合いが美しく長持ちします。
【3】竹炭シートで冬の冷気対策もばっちり
採寸の際、奥様が「畳と敷居の隙間から風が入って寒いのよね」とおっしゃっていました。
そこでご提案したのが竹炭シートの施工です。

竹炭シートには断熱効果があり、床下からの冷気を防ぐほか、調湿や防臭の効果もあります。
新しい畳の下に敷くことで、冬でも足元が冷えにくく、より快適にお過ごしいただけます。
製作を終えた新畳を搬入すると、採寸通りにぴたりと収まりました。
奥様は「竹炭シートって見るからに暖かそうね」「畳の香りがいいわ」「こんなに青々してるのね」と笑顔でお喜びに。
新しい畳の香りと柔らかな踏み心地に、ご夫婦の表情もぱっと明るくなりました。
畳は張り替えのたびにお部屋の空気をリセットしてくれる存在です。
とくに寒くなるこれからの季節、暖かく心地よいお部屋づくりにはぴったり。
「そろそろ畳を替えようかな」と思ったときが、いちばん良いタイミングです。
私たちは、地域の皆さまの暮らしに寄り添いながら、一枚一枚心を込めて畳を仕立てています。
お困りごとやご相談などありましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

いわき市平 一級技能士のいる熊本県産表専門店小野畳店
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