琉球畳と縁無畳の違いとは?天然い草の目積表で仕上げる縁無畳施工のポイント

琉球畳と縁無畳の違いについて

最近は「和室をすっきりモダンにしたい」というご相談から、**縁無畳(へりなし畳)**の施工が増えてきました。

お客様からは「琉球畳にしたい」というご要望をいただくことも多いのですが、実はこの言葉は少し誤解されやすい部分があります。

もともと琉球畳とは、沖縄で作られてきた畳のことで、七島イ(しちとうい)という植物(現在は大分県国東半島で栽培、生産)を使った畳を指します。耐久性が高く、表面の凹凸が特徴的な畳です。

一方で、現在一般的に「琉球畳」と呼ばれているものの多くは、**畳の縁(へり)が付いていない“縁無畳”**のことを指しているケースがほとんどです。

縁無畳には主に次のような材料が使われます。

  • 天然い草の目積表(めせきおもて)
  • 和紙表(和紙素材で作られた畳表)

目積表は通常の畳よりも細かく織られているため、縁が無くても美しく仕上がるのが特徴です。天然い草ならではの香りや風合いを楽しめるため、自然素材を好まれる方に人気があります。

縁無畳は少し特別な施工が必要です

縁無畳の施工では、通常の畳とは異なり畳表を折り込む加工が必要になります。

この「表を折る」という作業は、い草を傷めないように慎重に行う必要があり、経験や技術が求められます。そのため、施工を敬遠される畳店さんもあるほどです。

当店ではこの作業を安定して行えるように、**表を折る専用機械「ホット織姫」**を導入しています。

今回、天然い草の目積表を使った縁無畳のご依頼がありましたので、施工前に実際の材料を使って折りの練習を行いました。

天然い草表を折る際に難しいのは、折り目の部分でい草が割れてしまうことです。

そのため、通常は「バイオレールE」という柔軟剤を使って割れを防ぐ方法もあります。

今回は、材料そのものの状態を確認するために柔軟剤を使用せずに折り作業を行ってみました。

きれいに仕上げるための施工の工夫

実際に目積い草表を折ってみて、改めて大切だと感じたポイントがいくつかあります。

まず、折る前にい草を柔らかくすることです。

折る予定の部分に20〜30分ほど前から水分を与えて、い草を柔らかくしておきます。

その後、ホット織姫を約105度に設定し、畳表を5〜10分ほど挟んで温めます。

温めている間も霧吹きで水分を補給し、い草が乾燥しないようにします。

次に、100〜110度の角度までゆっくり折る作業を行います。

このとき急いで折ると割れやすいため、2分ほどかけて慎重に折っていきます。

最後まで折ったら、10〜20秒程度で機械から外すことも重要です。

折ったまま長く置いてしまうと、乾燥によって割れが起きることがあるためです。

このように、折る部分のい草にしっかり水分を与え、温度と時間を調整することで、割れのないきれいな縁無畳を作ることができます。

国産い草と中国産い草を折り比べて感じたこと

今回、国産表と中国産表の両方を折ってみました。

見た目の色や香りの良さはもちろんですが、実際に施工して感じた違いは、い草一本一本の柔らかさでした。

熊本県産のい草は、刈り取り後の乾燥管理が丁寧に行われているため、しなやかさがあり折り作業でも扱いやすい印象があります。

そのため、仕上がりの美しさや施工のしやすさという点では、熊本県産目積表の良さを改めて感じました。

畳は普段あまり意識することのない素材かもしれませんが、材料や施工の違いによって仕上がりは大きく変わります。

これからも、お客様に安心して使っていただける畳づくりを心掛けていきたいと思います。

いわき市平 一級技能士のいる小野畳店

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