お茶の心に寄り添う、畳替えのご相談
いわき市平にお住まいの茶道の先生より、「釜びらきまでに畳をきれいにしたい」とご相談をいただきました。
茶室はお客様をお迎えする大切な場所。毎年の行事やお稽古を重ねる中で、畳の状態にも気を配られています。
今回は、2022年11月に施工した表替えから3年が経ち、ワンちゃんによるシミが数枚に見られたため、一部の畳表を新しく交換させていただくことになりました。
茶室の畳は「京間サイズ(約191cm×95.5cm)」で、表は熊本県産表、縁は純綿黒縁の大宮縁・御座縁#100を使用。落ち着いた黒縁は、茶室特有の静寂と品格を引き立ててくれます。


「釜びらき」は一年の始まりともいえる大切な行事。その日に合わせて畳を整えるというお気持ちに、私たちも気が引き締まる思いで作業に臨みました。
畳の保管もお任せください|風炉・炉の入れ替えに対応
先生からは「風炉の時期(5月〜10月頃)に替畳を使いたいけれど、保管場所がない」とのご相談もありました。
茶室では、季節により“炉”と“風炉”を使い分けるため、畳を入れ替えることがあります。
そのため今回は、風炉用の替畳を新しくお作りし、当店で次の入れ替え時期まで大切に保管させていただくことになりました。
畳は湿度や温度によって状態が変わりやすいため、適切な環境で保管することがとても大切です。
「保管場所がなくても、季節ごとの使い分けを諦めなくて良い」という安心感をお届けできたことが、私たちにとっても嬉しいことでした。
茶室の施工は“目合わせ”が命|経験が活きる繊細な仕事
茶室の畳施工は、一般の居室とは違い、畳表の“目”や“方向”に特に注意が必要です。
一枚一枚の畳表を丁寧に見極め、光の入り方やお道具の配置を考えながら仕上げていきます。
今回も、三年前に施工した畳表を裏返ししたところ、まだとてもきれいな状態で、新しい畳と並べてもほとんど差がないほどでした。
先生からも「まるで全て新しくしたよう」と嬉しいお言葉をいただきました。


こうしたお仕事を通じて、改めて“畳は手をかけるほどに応えてくれる素材”だと感じます。
長くお使いいただくためには、定期的な点検や部分的な表替えなど、丁寧なメンテナンスが欠かせません。
お茶室だけでなく、ご家庭のお座敷や和室も同じように、暮らしの中で少しずつ整えていくことで心地よい空間が保たれます。
まとめ
今回の施工では、
- 茶室に合わせた京間サイズでの表替え
- 風炉用替畳の作成と当店での保管
- 一部表替え+裏返し施工による美しい仕上がり
を行いました。
お客様のご希望に合わせて、畳の保管や季節ごとの入れ替えなどにも柔軟に対応しております。
「こんなことお願いしていいのかしら?」と思うことでも、どうぞお気軽にご相談ください。
お一人おひとりの暮らしや空間に寄り添ったご提案をいたします。

いわき市平 一級技能士のいる熊本県産表専門店小野畳店






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